『日本一“練習しない”プロが教える 科学的ゴルフ上達法30』
「最小限のお金と時間で、最大限のスコアアップをお約束します。”日本一練習しない”自分が今までの試行錯誤を通して得た『上達ポイント』をこの一冊にギュッと詰め込みました。」と言う著者の堀川未来夢プロ。ボールを打つより素振りが大切と、”球を打たずに練習する”ことを真面目に語るプロならではの驚きの視点とコツを教えてもらえる内容になっています。
本日紹介するのは、父の影響で4歳からゴルフを始めて、中学時代はゴルフから一時離れたものの、高校からゴルフを再開し、名門・日本大学で腕を磨き、2014年10月にプロ入りを表明、2015年より本格的にプロゴルファーとしてデビューすると、19年には「日本ゴルフツアー選手権」でツアー初優勝、昨年までに、ツアー4勝を挙げた堀川未来夢プロが初めて書いたのがこちらの書籍です。
【紹介者のひとこと】プロの考え方のこういうこと知りたかったんだよ、ということが必ず盛り込まれているはずです。私は、すぐに10個は取り込んでやり始めました。一読の価値ありです。
著者は、自身のYouTubeチャンネル「堀川未来夢チャンネル」で登録者26.7万人(2023.1.5現在)を超える人気のYouTuberで、数多くの練習方法やレッスン動画を配信しており、そのチャンネルも大好評のようです。その理由は、著者が、プロの中で勝ち抜くために「科学的」かつ「合理的」にゴルフと向き合い、上達することを求めて来たからこそ生み出せた一つのメソッドによると語っています。その内容は、『どシンプル』な考えで、かつ、『身体に無理のない自然な動き』をすすめるものでした。技術的なコーチ本が多い中、この本は、ゴルフで大切な再現性をより高めるためにどのように身体を動かせばよいのか、アマチュアの方々にもすぐにできる方法論をわかりやすく30のメソッドに分けて説明されており、加えて、プロならではのマル秘テクニックもパッティングを中心に存分に伝えてくれている書になっています。
本書は以下の4章構成から成っています。
第一章:絶好調でも100切り!再現性の”鬼”と化す「スイングの基本」
第二章:スライス知らずの”体質”になる!ショットの問題と解決方法
第三章:地味にスコアを10縮める”スナイパー”パッティング術
第四章:今日からスコア10アップも可能⁉【シーン別】プロがコッソリ使う小技集
第一章では、ゴルフに適した、再現性を高めるために、まず考えるべき基本的な体の動かし方を紹介している。私が、これは!と思ったポイントを挙げてみると、
◆自然な動きをすること。できる限り、ゴルフの中にも普段の生活と同じ動きを結び付けていくこと。日常の中で、毎日やっていることとして、鏡を見ながら、背骨を軸に身体を回転させること、肩を地面と平行に動かすこと。
◆ゴルフは基本的に押す動きはなく、全部が引く動きになるので、回転させる場合でも、使うのは体の後ろ側の肩を引く形にすること。
◆アドレスでナイスショットの8割が決まる、特に、ドライバーのヘッドをボールに対して、クラブを寄せて構えるのはNG、さらに、芯で構えず、先っぽ(トゥ側)で構えると遠心力で芯で打てるようになる
◆再現性を高めていくためのポイントは、大きい筋肉を使ってスイングすること
◆体重移動のポイントは、左右の足の内側で体重を受け止めて壁をつくること
◆テイクバックで上げた軌道よりも内側を通ってインパクトに向かうと、フォローが大きくなる
◆球を曲げずに真っすぐに飛ばすために、インパクトゾーンを30cmに伸ばすこと。ボールとフェースが接地したまま押し込む時間を少しでも長くする、そのために、左手の片手打ち練習を取り込む
第二章では、より技術的な部分で、ゴルファーのよくあるショットの悩みに対して、最適な解決方法を紹介している。私が、これは!と思ったポイントを挙げてみると、
◆スライスの2大原因は、①体が開く、②クラブが上から降りてくる
◆体を開かないようにするためには、また、絶対にドライバーでスライスしたくない時などは、左足を少し内側に向けてアドレスをするとよい
◆クラブが下から入るようにするためには、テイクバックでクラブヘッドを上にあげるのではなく、なるべく遠く、横に上げるようにすること
◆最初に力むのは、手でなく、目!
◆ドライバーのヘッドは、地面につけずに、浮かせてから始動すること
◆フェードボールは、右肩を回転させる形、ドローボールは、テイクバックで上げて、右肩を回転させずに、残しておく意識でインパクトをすること
◆ミート率を格段にあげるためには、いきなりボールにセットアップしないこと。ボールを意識せず、ナチュラルに構えてみて、クラブを置いた位置がボールの正確な位置だと認識すること
◆アイアンで飛距離を出すためには、まずは、ウェッジで低いボールを打つ練習をして、ダウンブローが自然と身につくようにする
第三章では、パッティング術に対して、プロの考えるコツと考え方を惜しみなく紹介している。私が、これは!と思ったポイントを挙げてみると、
◆アイアンと同じ前傾角度で打てるパターを選ぶこと
◆手のひらを合わせて力が一番入るところがパターを握る位置
◆パターのグリップの握り方は十人十色、握りやすく、感覚が出ればどれでもOK
◆高低差を意識して、カップインする場所を決めてから自分でラインを作り上げる
◆グリーンを一周して全体を見て距離感を把握し、カップとボールの距離を3分割して考える
◆上りより下りの方がボールは曲がりやすい。下りは真上の位置を見つけてそのラインにのせていく
◆6mまでのパットはカップの30cm先を狙う。9mは、15cm先を狙い、12mなら直接カップを狙う
このほかにも、堀川プロ独自の必殺技(センターシャフトのブレを利用したり、インパクトを大切にしたパター練習法など)の紹介があります。
第四章では、プロが使う小技集を紹介している。私が、これは!と思ったポイントを挙げてみると、
◆OB防止策、右がOBの時はティーを高くして、左がOBの時はティーを低くする
◆調子を見て、ダブり気味ならボールの左側を見る、トップ気味ならボールの右側を見る
◆バンカーは、ハンドレイトのスイングで、コマ回しと同じ動かし方で一発脱出
◆フェアウエーバンカーは、足の内側だけ埋め、右足先を外側に向けてセットする
◆飛距離を伸ばすストレッチとして、特に、肩甲骨回し、股関節トレーニングは大切
◆日常のケアとして、肩を地面と平行に動かす練習を繰り返す
最後に、打つ練習を今の半分にして、そのぶんの時間を素振りにして、フォームを正していければ、確実にスイングは良くなる。