2つのプレーオフ!

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2日連続でゴルフトーナメントの激戦を食い入るように見つめていた。

2025年4月13日、そして14日の早朝。

ひとつは、JLPGA・国内女子ゴルフ。雨の中のプレーオフ。もう一つは、PGA・米国男子ツアーゴルフ、マスターズ。オーガスタの晴れ渡る天候の中でのプレーオフ。共に、Net配信で観戦し、素直に感動し震えた。そして、勝者の笑顔と涙に、そして敗者の涙にも、もらい泣きをした。

一つ目の雨の中のプレーオフ:富士フイルム・スタジオアリス女子オープン

安田祐香、2勝目!

最後は、今年、私が注目している二人の選手とルーキーの3人の戦いとなった。安田祐香と河本結。女子プロの中ではひときわ華奢な体だが、表情も変えず淡々とプレーをしていく安田祐香。対照的に、いつも笑顔でプレーしている河本結が、いつのまにかプレーオフに滑り込んでいた。そして、18番ホールに2位と一打差の首位で来たルーキーの中村心は、アプローチを寄せきれずパーパットをはずし、プレーオフに持ち込まれていた。

闘いは、プレーオフの18番ホール自体の難しさと、雨でランがでず飛距離が出ない中、いつまで続くのかと思うような激戦となった。

プレーオフ第1ホール目。それぞれの思いが顔に出ている。顔を引き締めて前を見つめる安田祐香。笑顔でキャディーとも会話する河本結。18番ホールのパーパットをはずしたことを後悔して、気落ちした表情がどうしても出てしまう中村心。3人は一言も会話をせず、雨の中、淡々とプレーを進める。そのプレーオフ第1ホール目で、中村心が、無念のボギーで脱落。河本結は、バンカーからの2打目をみごとにグリーンに乗せてパーでしのいだ。

その後、プレーオフは、安田祐香と河本結の一騎打ちとなり、第4ホール目まで続いた。

プレーオフ第4ホール目。二人とも一打目がバンカーに入った。その2打目で勝負がついた。まずは、河本結が、バンカーショットをミスショットし、一瞬小川に入ったかと思われたボールは、そこを乗り越え、グリーン手前のバンカーの淵で止まった。バンカーの中にアドレスせざるを得ない状況でのアプローチショットはグリーンを大きく越えた。一方、安田祐香は、砂に水も十分浸み込んだバンカーの中で、いつも通りセットしユーティリティーのクラブを振り抜いた。ボールは、グリーンをとらえ、バーディーチャンスのスーパーショットになった。惜しくもバーディーは逃したものの、ボギーになった河本結を押し切る形となった。

プレーオフで2度、水たまりができたフェアウェイバンカーからグリーンを攻めた安田(撮影/大澤進二) 出典:みんなのゴルフダイジェスト

安田祐香は、終始、大きな目で前を向き、どんな結果も受け入れる覚悟と、負けないという闘争心をみせ、雨の中でも湯気が出てくるような顔付きでプレーをしていた。ただ、ラウンド中は次から次へと試練ばかりだった。難しいパーパットを何度も決めた!安田裕香は、ピンチになっても口元を軽くクッと締めて、1ホール1ホールこなしていく。まさにクールビューティー。優勝スピーチにも、「大雨のラウンドの中、強い気持ちで闘えた!」というコメントがあったが、それをやり続けた先に、2度目の優勝が転がり込んできたのだ。華々しいアマチュア時代の戦績通りに、ようやく安田祐香の本領発揮をする姿を多く見られるシーズンになりそうだ。      つづく

安田、河本結、中村心、3人のプレーオフ。最後は河本との死闘を制した安田(撮影/大澤進二) 出典:みんなのゴルフダイジェスト

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