【なぜこの本をお勧めしたいか?】
私は、この「しおさい楽器店ストーリー」シリーズを読むとき、曲名が書かれていると、スマホでその曲を流しながら読んでいる。
この作品は、しおさい楽器店シリーズの五作目。いつも次回作を待ってる読者の期待を裏切らない。
葉山の海辺にある小さな楽器店をイメージしながら、ゆっくりと読み進めていくと幸せな気持ちになってくる、そんな作品だ。
【本のタイトル・出版社・著者のプロフィール】
著者:喜多嶋 隆
出版社 : 光文社 (2024/4/10)
発売日 : 2024/4/10
【あらすじ】
涼夏の弟・真一。16歳の挑戦。
大切なのは
何ができたかじゃない
何にトライしたかなんだ
数々の名曲に彩られた青春音楽小説 第5楽章!アメリカの高校に通っているはずの涼夏の弟、真一が、突然哲也のもとに転がり込んできた。
一流商社のニューヨーク支店長を務める父親のエリート主義に反発して家出したのだ。将来は音楽のエンジニアの仕事に進む夢を持っているようなのだが……。
四年前、涼夏一人を置き去りにして渡米した家族。仲の良かった姉弟の絆は、音楽を通じて再び結ばれるのか!?引用元:Amazon
【見どころ】
そもそも、私が、再び、喜多嶋作品を読むようになったのは、この「しおさい楽器店ストーリー」シリーズがきっかけだった。三浦半島に住んでいるものとして、葉山の小さな楽器店をありありと思い浮かべられて、すぐに、気持ちは哲也と涼夏の仲間になっていたのだ。
前作で、哲也と涼夏の確かな進展と、涼夏の素敵な声の可能性を感じられて、大いに盛り上がった。今回の作品では、どういうストーリーを見せてもらえるのか、ワクワクしながら読み始めた。なんと、今回は涼夏の弟の真一が主役だった。
真一が、涼夏も歩み始めた音楽の世界に引き寄せられるように、日本に逃げるように戻ってきて哲也たちと暮らし始める。彼は、彼自身で積み上げてきた技術を持ち合わせていた。まさに、哲也と涼夏の音楽の世界に入り込むだけでなく、その世界で自立し始めるのだ。同時に、涼夏と真一姉弟の心の中のわだかまりも、徐々にほぐしていく暖かい物語だ。そして、周りの大人たちの助けも借りながら、父との問題を解決していく真一と哲也。
本音を言うならば、哲也と涼夏の二人の進展ももっともっと知りたい。そして、ますます、音楽の世界での、哲也と涼夏とこの仲間たちの活躍を観て(読んで)みたいと思う。
次回作以降も大いに期待したい。
【まとめ】
喜多嶋隆氏の小説は、とても読みやすくて、葉山の海をイメージしながら、いろいろな音楽が流れてきて、とても癒される。この『E7 しおさい楽器店ストーリー』も、喜多嶋ファンの期待を裏切らない秀作だ。まだ、このシリーズを読んでない人は、できれば、シリーズ1作目の『A7: しおさい楽器店ストーリー』から、ゆっくりと喜多嶋ワールドに入ってほしいものだ。
【オススメ】